日本人はベジタリアンか
意外に思われる方も多いとは思いますが、江戸時代までの日本人はほぼベジタ
リアンな生活だったようです。地域によっては魚を食べていたり、ごく稀に狸・
鹿・鶏を食べることはあったようですが、供給が不安定だったこともあり頻繁
には食べなかったようです。
日本人が肉を食べるようになったのは明治時代の西洋化がはじまってからで、
それまでは「四足の食べすぎは血を汚す」と言われ避けられてきました。夏目
漱石の小説「吾輩は猫である」などでもその点に関して描かれています。また、
宣教師ザビエルも、動物性食品をほとんど摂らないにも関わらず長命で健康・
勤勉な日本人に驚いていた様子が記録に残っています。
日本人が長寿であるというデータも、明治・大正・昭和初期時代のまだ現代ほ
ど肉食が多くない時代に産まれた世代の方々が作ってきたデータなのです。
世界的に見ても、イスラム教・ヒンズー教・ユダヤ教・古い仏教などで健康の
面や殺生の不道徳などの理由で肉食を制限している人や地域・文化は非常に多
いです。
また、肉食動物の腸は体長の約3倍で、腐りやすい食べ物のカスを早いうちに
排泄できるようにつくられています。それに対し、人間の腸は体長の12倍の
長さがあり穀物の栄養をゆっくり吸収するのに向いているようです。その中で
も日本人は、欧米人より体が小さいにも関わらず腸の長さは欧米人の1.2倍
もあり、穀類を消化するのに向いた身体のようです。
さらに歴史を見ても現役の方を見ても、学者・スポーツ選手・俳優・芸術家・
政治家・宗教家などをはじめ、分野を問わず偉大な功績を残した人には驚くほ
どベジタリアンが多く、それを続ける理由としては「肉を食べない方が調子が
良いから」と口を揃えて言っています。
肉を食べないことが健康にとって最良の選択なのかはまだ研究の余地があると
ころではありますが、少なくとも肉を過剰摂取している人よりベジタリアンも
しくは肉をほとんど食べないの人の方がエネルギーに溢れる人が多いように感
じます。
少なくとも肉を食べなければ健康になれないというのは、現代人が刷り込まれ
た思い込みと言って良いでしょう。そして高い健康状態をお望みでしたら少し
ずつでも量を減らしてみると良い変化が期待できるでしょう。
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